田中外相更迭は小泉政権を危うくする
第一歩になる!?
小泉政権を守っていた田中外相
小泉政権ができて、ちょうど10ヶ月になった。いままで小泉首相の人気か田中眞紀子さんのの人気かわからないが、ともかく相乗効果で非常に高い政権支持率を保っていた。
なぜここまで国民が小泉首相と田中眞紀子さんを応援したかというと、彼らが自民党の中で一番自民党らしくないからだと私は思っている。
ともかく今までの自民党政治を続けるのではなくて、自民党を変え政治を変えてくれるという期待があった。田中さんや小泉さんはしがらみがない、思惑もない。
だから政治が変るんじゃないかと応援してくれたのだろう。
それから10ヶ月、確かに小泉首相は本当に頑張ってこられた。だからかそ今日まで高い支持率が続いたわけだが、今度の田中眞紀子外相の更迭は大きなターニングポイントになってしまいそうだ。
確かに田中さんにも問題は一杯あった。しかし、今回の更迭は説明がつきにくい。田中さんの存在感というか功績はなんといっても小泉首相の支持率を支えていたところにあった。にもかかわらず、更迭してしまった。
いま私は、支持率が下がったなかで、果たして小泉首相は本当に改革が出来るのだろうかと疑問に思っている。というのも小泉政権が誕生してから10ヶ月の間、これといった成果は何もない。
景気も何が良くなったかと問えば何も良くなっていないと答えるしかないからだ。
確かに靖国参拝を二日前倒しで行った。
ハンセン病の訴訟も断念したし、テロ特措法も作った。
しかし、全国民が一番関心を持っている景気は全く良くなっていない。失業率もどんどん増え、倒産件数も増えている。そして円は安くなるし、株も安くなり、物価も下がり、景気は悪くなる一方である。小泉さんの国会での発言も問題無きにしもあらずだ。
ところが、こういったことがなぜそれほど問題にならなかったかと言うと、それ以上に田中眞紀子外相に関心が行っていたからだ。田中外相が国民の関心を一手に引き受けてくれていた。彼女が問題の防波堤にもなっていたわけである。
小泉首相のちょっとやそっとのいい加減の答弁ではマスコミの感心が集まらなかった。その意味で大変助けられていた。そして、国民は小泉首相は必ずやってくれる、いま我慢すれば必ず明かりが見えると、それを期待して応援してくれていたのだ。
小泉首相の痛みを伴う構造改革の最大の支えは、国民の支持率でしかなかった。
ところが、その支持率が今回のこの更迭劇で激減したのである。小泉さんはやはり更迭で大変失敗をしたと思わざるを得ない。
確かに田中眞紀子さんにも問題が多かったのも事実だ。
国民は彼女に外務省の改革を期待したが、ほとんど何も改革は出来ずに終わった。しかし、彼女の更迭後、外務省の問題が噴出している。やり方は間違っていたが、彼女の問題意識は正しかったといえる。
いずれにしろ、外務省の最大の問題点は国益を忘れているという事につきる。外務省は国会国民の為に仕事をするわけで、一部の議員のために仕事をするのではない。そこを忘れていたのだ。
実はブッシュ米大統領の来日前に、拉致事件被害者の横田めぐみさんのご両親が私のところに来られた。そして、ブッシュ大統領と小泉首相との会見の席で何としてもブッシュさんに拉致問題をお願いしてくれというので、小泉首相に話を通した。
しかし、こういうことをアメリカに頼まなければならないというのも情けない話だ。
日本人が拉致されたのだから、日本が動くべき問題なのである。
生命の安全と財産を国が守ってくれる、だからこそ国民は税金を払うのだ。
それが国家とか外交というものである。
しかし、外務省は今までほとんど動かなかった。
落ちぶれた外務省の真実
その中で田中さんは外務省改革をやろうやろうとしたが、いささか方向を間違い迷走気味でなかなかできないでいた。しかし、今度のNGOの出席拒否問題では何も間違えていない。
今回は田中さんの行った事が正しい。なぜ正しいか。
私はこの問題が起こった時に外務省のある人物にスグに直接電話をして「どうして拒否されたのか」と聞いた。
そしたら「いやぁー、鈴木さんがうるさくてしょうがない」とはっきりそう言った。
ところがそのあと余りに問題が大きくなってしまったので、その人から電話がかかってきて「平沢先生頼むからあの話はなかった事にしてくれ」と言ったのだ。
田中さんはこの件では正しかった。その正しかった田中さんを野上さんや鈴木さんと一緒に更迭した小泉首相は間違った。田中外相のクビを切るならそれまでにいくらでもチャンスがあった。しかし小泉首相はその更迭の機会を過ごし、最悪の時期を選んでしまった。鈴木宗男さんという登場人物も悪過ぎた。
田中眞紀子さんと鈴木宗男さんの関係を言えば、田中さんという人は、野球で言えばボールを打っても一塁ではなく三塁のほうに走っていってしまうところがある。
ちょっとトンチンカンでルールを知らない所がある。
人の使い方も知らない。
それに対して鈴木さんは、
スリーアウトになっても「いや、スリーアウトじゃダメだ、フォーアウトにしろ」とか言い返し、相手のピッチャーに対して「次は俺が打つからやさしい球を投げろ」と言い返す。
これが鈴木さんだ。
以前、私と鈴木さんがバトルをやったなどと報道された。
鈴木さんが私に怒ったのは、私のテレビ発言の中で「影の外務大臣だ」と言ったのがけしからんという。
こんなことはもう誰でも知っていることだ。
それからもう一つ、私が外務委員会の委員をやっていた時に一回も質問させてっくれなかった。
どうして私に質問させてくれなかったかと言うと、私が李登輝さんの問題などについて外務省に質問しようとしたからだ。
李登輝さんは、心臓病の手術で日本に来たいという事でいろいろ書類を提出したが、日本政府はそんな書類は全然出てないと言ってごまかした。
それで李登輝さんは日本政府は大嘘つきだと言った。
この問題で、私は外務省が大変なごまかしをやってるものだから追求しようとしたのだ。そしたら鈴木さんがストップをかけて、私に一言も質問させなかった。
その理由は、理事から順番に質問することになっているとか、出席率が良い人からとかいろんな事を言った。
しかし、私は外務委員会を一回も休んでいない。それでも私に質問させなかった。要するに、外務省の当時の局長から「平沢に質問させないでくれ」と頼まれたからだろう。
そこまで外務省は落ちぶれたのである。
私と鈴木さんのやり取りが報道された後、
同じ自民党のメンバーからも「よくやってくれた、頑張れ頑張れ」とメッセージが届くが、
本当は自分で言えばいいじゃないかと思っている。
しかし、鈴木さんのバックには野中さんたちがついている。
金をもらっていた人も少なからずいる。
怖いから言えないのだ。
私が田中眞紀子さんについての発言をマスコミで言うと、全国から反響がいっぱい来る。
だいたい8対2で田中眞紀子さんの支持だ。
しかし、2割ほどは田中支持をやめるというものだ。
別に私は是々非々だから、田中さんの応援団でもないのだが・・・・・、というものであった。
ところが鈴木さんとのやり取りが全国に報道されたら、
今度は100人中100人が鈴木さんに負けるな、というものだった。
今、小泉首相は田中さんに完全に不信感を持っている。
そして田中さんは田中さんで小泉首相や福田官房長官にたいへんな不信感を持っている 。
こんな状態が続いているのは日本のためにならない。
また自民党のためにならない。小泉首相と田中さんはお互いに話し合って、いろんなわだかまりや誤解を解いて、田中さんは小泉首相の応援にまわることが肝心だ。ところがその後、お互いに一言もない。
小泉首相も田中さんの気持ちをちょっと逆撫でしているような感じさえある。
もう少しうまく田中さんを使った方がいいのではないだろうか。
(月刊「政界」Politico5月号 新連載 [明快男・衆議院議員平沢勝栄の直球勝負]より)
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