筋を通せば敵もできるが味方はもっと増える
「歯に衣着せぬ」というのは、この人のためにあると思わせる平沢勝栄代議士。激戦の東京17区で勝ち抜いてきた実績が、平沢氏の信念の強さを証明している。
守りに入った小泉首相
−自民党の不支持率が支持率を上回ってしまいました。
平沢 大きなターニングポイントは、田中外務大臣の更迭です。更迭自体はいいと思いますが、やり方を間違えました。
−平沢さんも、最初は田中真紀子さんを指示していたと思いますが。
平沢 霞ヶ関も永田町も自民党も、賞味期限が切れています。根こそぎそれを壊すには、敵をつくるのを恐れず、破天荒で常識外れの人でなければなりません。その点で田中真紀子さんは最適でした。
小泉政権は、そもそも誕生からツキがあり、70〜80%という未曾有の支持率を維持していましたが、真紀子さんを更迭したことで国民の支持が逃げ、同時にツキも逃げたと思います。防衛庁のリスト問題や宗男スキャンダルなどが次々に出て来て、政策とは関係ない分野でどんどん支持率が落ちています。
しかし、だからこそやる気になれば、支持率の復活は可能です。私がいつも言っているのは、小泉さんは総理大臣を辞めたら国会議員も辞めてほしいということです。その代わり、喧嘩してもいいから自分の主義、主張は通す。小泉さんのいいところは2つあって、ひとつはしがらみがないこと、もうひとつは筋を通すことです。今の状況では、小泉さんは原点に戻るしかありません。これまでの総理大臣は、党が全部決めたことに乗っていただけです。だから、誰でも務まりました。これからは官邸主導にして、先頭に小泉さんが立てばいい。党は反発するでしょうが、反対する議員の実名をテレビカメラの前で公表して、国民に判断を任せればいいんです。
小泉改革が失敗するとすれば、守りに入ったときです。小泉さんが党との対決姿勢を見せれば、支持率は上がります。下がったと言っても未だに支持率は高いんですから、自信を持って大きな目標に向かえばいい。
しかし、小泉さんは自分の得意な分野にしか取り組みません。郵政民営化や医療改革などには熱心ですが、農水省は壊したほうが国民のためなのに、小泉さんはやりません。
もうひとつ大事なことは、自立した外交です。日本はアメリカの属国であり、中国、北朝鮮、韓国の属国でもあったわけです。今ではアメリカの属国でいることが日本の国益にかなっていましたが、もう自立しなければなりません。主張すべき点は主張し、やらなければならないことはたくさんあります。小泉さんは先頭に立って靖国にも堂々と参拝し、瀋陽の日本総領事館の侵入事件では、中国に「ODAをカットする」と毅然たる対応を取るべきでした。小泉さんに期待しましたが、がっかりです。
政治家にも「賞味期限」
−難しい東京・葛飾の選挙区で、よく勝ちましたね。
平沢 これからが大変ですよ。東京に小選挙区は25ありますが。自民党が残りすべてで負けても、私は絶対勝ち残るつもりです。そのためには、自民党の平沢勝栄ではなく、平沢勝栄党でないとだめです。
−勝つための秘訣は。
平沢 自民党は「公明党と連立しなければ選挙に勝てない。創価学会票が必要だ」と言っていますが、それは自民党が堕落したからです。本人がしっかりしていれば、全国どこでも勝てます。私のように、絶対勝てないと言われていても勝った人がいるんですから。
自民党は公明党と連立するために、いろんな妥協を重ねてきました。地域振興券や児童手当などがそうですが、自民党にとって一番大切なのは筋を通すことです。選挙に勝つだけのために妥協をするから支持を得られない。筋を通せば敵を作りますが、敵以上に味方が増えます。自民党は、原点に戻るべきなんです。
−しかし、連立政権では難しいでしょう。
平沢 連立を組むなら、基本的な考え方が一致していなければおかしい。公明党は、努力しようがしまいがみんなの面倒を平等にいましょうという考え方で、地域振興券がその典型です。自民党は努力した人が報われる、努力しない人は仕方がないが、最低限の生活は保障してあげましょうという立場です。努力する人には、それにふさわしい報酬や恩恵があれば、社会に活力が出てきます。基本的な点で公明党とは違いますから、いっしょに組むなんてことは馬鹿げています。これから政界再編に向かうと思います。
今、国民が求めているのは閉塞した永田町をぶち壊す強力なリーダーシップです。今までのボトムアップ的な調整型のリーダーではなく、党が何と言おうと無視して引っ張ってくれる人です。期待をしていた小泉さんが駄目なら、次に石原慎太郎さんに求めるのは当然でしょう。
−亀井静香さんへの支持も強いようですが。
平沢 亀井さんも石原さんと似たところがあって、言うことが簡単明瞭で、はっきりしています。敵もつくるけど、味方もつくる。亀井さんはまだ若いですから、頑張ってほしいですね。
−国会議員の汚職が相次いでいますが、なぜ不祥事はなくならないんでしょう。
平沢 確かに、エンドレスに続いています。処罰を厳しくする一方、議員数を減らして、浮いたお金で公設秘書を増やし、政治活動が十分にできる環境を作ることが必要です。また、議員が立候補する選挙区を変えていく必要もあるでしょう。政治家には「賞味期限」がありますから、多選禁止規定も必要です。ただし、政治献金は個人献金に限って認め、その中で透明性の高い活動を義務付けます。個人献金は残しておかないと、金持ちだけが政治家になりますからね。
今の日本の政治が駄目なのは、政治家のほとんどが金と選挙のことばかり考えているからです。これを逆転させるためには、ある程度政治資金を保証し、選挙では有権者が選ぶ目を持ってかかわっていくしかありません。
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